ツチヤタカユキ戯曲「PARTY」上演プロジェクト
PRoJECT:PARTY
About
「PROJECT: PARTY」は、『着信御礼!ケータイ大喜利』『オードリーのオールナイトニッポン』等で伝説のハガキ職人と称され、2017年に自叙伝となる初の著書『笑いのカイブツ』(文藝春秋)を刊行し、新聞・雑誌・web・メディアで大反響を呼び起こしている、漫才・コントの構成作家 ツチヤタカユキが、劇作家デビュー作として書き下ろした戯曲『PARTY』の舞台上演を目指すプロジェクトです。
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……coming soon
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PARTYのためのPARTY
ツチヤタカユキ『PARTY』
劇場公演に向けたキックオフパーティ
立ちリーディング、トークイベントの他、DJ、展示等を行います
2018年9月1日(土) 17:00〜22:00
場所:E-BASE
〒150-0042 東京都渋谷区 宇田川町6-15
料金:1000円
※飲食自由※ドリンク(別料金)あり
※スタンディングの可能性があります立ちリーディング上演「PARTY」
脚本:ツチヤタカユキ
演出:山本健介(ジエン社)
17:00~18:00
公開稽古
18:00~19:00
リーディング上演
出演者
村岡正喜(not in service)
坂西嵩史
日和下駄
石井舞
キヨスヨネスク
日下諭
徳倉円
松原一郎
※おーえるさんは都合により降板しました
あらすじ
阿式先生は、小説を書きたい、と思っていた。思っているうちに、地球は滅亡してしまうらしい。
あと二週間で世界は終わる。
そんな夜でも、阿式は小説を書こうとしていた。
そんな阿式先生の部屋に、奇妙な来訪者が次々と訪れる。
それはまるで「真夜中に突然やってくる、こんな来訪者は嫌だ。どんな?」という大喜利の回答かのようだ。
そのにぎやかさは、まるでコントの舞台のようだ。
その騒がしさは、まるでパーティのようだ。その混乱の中、みらいがやってくる。
みらいは、未来からやってきた。みらいは一人だけ××をしていない。みらいは未来で、たった一人だ。
「続き、書いて」
みらいは阿式に小説の続きを依頼する。阿式の書く小説は、みらいの世界で重大な意味を持つらしい。
不思議な少女に導かれて、阿式は続きを書こうとするが――そんな「物語」っぽい、「ドラマ」っぽいスカした展開、「こんな来訪者は嫌だ」の連中が、やっぱり許すはずなかった。
滅びが前提となっている世界。こんな世界を作った神がいるならば、きっとそれは、「人間関係不得意」なヤツだろう。
そんな世界に産まれてしまった彼らは、神に逆らうように、大声を出して、大きく動いて、抗って、「物語」を作り上げようと奔走する――
トークイベント「PARTYのためのSESSION」
山本健介×齊藤恵汰
19:00〜20:00
トークの内容
・なんで斎藤君が演劇の企画を持ってきたのかということと、なんで人は演劇をやってみたがるのか
・これはコントなのか、そうではないのか、そうでないならこれは何か
・演劇公演っぽくない公演って、どんな在り方があるのか。公演というやり方は、これでいいのかCOMMENT
演劇は舞台の上に、ほかの形式では表現できない特別な時空間を創り出すことを目的とします。しかしリアリズムと共感が文化を席巻する時代において、演劇という「あらかじめ観客を前提とする表現形式」は相対化の暴力に晒されがちです。この状況の中、生き生きした言葉はどうすれば創り出されるのか。
コントは、その方法を「事実と欲望の螺旋」と定義し、そこに全力を賭ける形式です。作者の企み、演出家の采配、役者の貫禄、それらが一致した時、作品は恐怖や笑いや違和感を生み出す装置として機能します。我々はその目的のために必要な素材を揃え、あるいは時に自分を素材とすることで、華麗な離陸を目指します。
今回、劇作家としてデビューするツチヤタカユキは、その著書「笑いのカイブツ」でも書かれている通り、笑いという悪魔に魂を売った作家です。そしてジエン社を主催し演出家としても活動する山本健介は設定の違和と日常の豊かさを共存させる演出を得意とします。コントでも演劇でもない、あるいはコントであり、演劇であるための条件を、バラエティ豊かなバックボーンをもつ演者とともに模索する。本プロジェクトの企図は、そこにあります。
我々の社会は決して舞台ではありませんが、また単なる事実と欲望でもない。あるいは、それら両方が同時に存在する姿は、きっと今までにない上演として、観客の目の前に現れるでしょう。
齋藤恵太
今回の企画は渋家10周年記念パーティーの酒の席で、齋藤さんに「演劇やろうぜ!」とダル絡みをしたことにより決まりました。なので、きっかけはかなりテキトーなんですが、そのくらいの軽さで演劇を始めるのも悪くはないなと、今では思います。
人と人とがアメーバのようにつながっていき、大きな生き物のようなものが生まれる。今回の企画ではそのイメージを元に進めていきました。
あなたも一緒に生き物になりませんか?
日和下駄
ツチヤタカユキという、稀有な作家は、特別な名前として記憶していた。というのも、2年ほど前に深夜ラジオをテーマにした公演をし、また彼の著作である『笑いのカイブツ』を読み、その過剰さにうちひしがれたことがあったからだ。
このコメントを書くためにその本をもう一度読んでみようと思ったけど、手元にない。思い出したのはけっこう前に、『笑いのカイブツ』を読むべきだと思う女の子に勧めて、それで返してもらってなかった事だ。そして、その本は、多分もう戻ってこないだろうと思う。
そんな折、違うホンが僕の手元に転がり込んできた。
そして斎藤君から「そのホンの演出やってもらえませんか」と来て、面食らった。
たしかに、ツチヤタカユキ脚本ときいて興味はあった。けれど僕は、東京の小劇場という小さいシマの中では「暗い」「地味」「なんだかよくわからない」「大して知られていない」で知られている。いわいる「小難しい系」の僕に、笑いを主体とする脚本の演出の依頼が来るななんて、夢にも思わなかったし。しかも、スタッフもないし、予算もないし。「ただ脚本だけがある」という状態……。でも、やるって言ったなあ。
やるって言ってしまったんだよ。でも、やるんだよ。やったらどうなるか、全く分からなかったから。ツチヤタカユキの脚本が、ただそこにある。それだけで、人は動き始めた。
それで3月から、この脚本を使って月一くらいの稽古会をコロコロしはじめた。俳優たちが、ぼんやり呼びたいなあと思う人に声をかけ、コロコロ、ショボショボ、じわじわと、ただこの脚本を読み、笑い、大声を出し、会議室の警備員に睨まれながら、ただ稽古をする。
稽古をすると、いつの間にか人が寄ってくる。呼んだ人がまた人を呼んだりして、また稽古に加わる。手伝いたい人もそのうち出てくるんじゃないか……そんな感じで、ただ稽古をし続けた。
そうしているうちに、稽古に来るレギュラーメンツが固まってくる。「じゃあ、なんか、もう、見せるか」と、この世にツチヤタカユキの舞台脚本があるという事を伝えてみたいという、こんな感じの会が出現した。といっても、「脚本がただある」に加えて「少しずつ人が来ている」に過ぎない。
相変わらず、上演の専門のスタッフもいない。それでも、やる。
やるのは、公演ではなくて、「パーティ」だ。
「パーティのためのパーティ」。こんな脚本が、この世にあるんですよ、という、パーティ。
最初に脚本を持ってきた齋藤君は、当初は役者として出ようとしていたが、次第に「そうじゃないかもしれない」と思い、「料理を出したい」と言い出した。
パーティだから、料理は出る。酒も出るだろう。そういう参加もいいと思う。脚本があるからといって、演じるだけが、参加の手段ではない。それがパーティのゆるさだ。ということで、公開稽古と、部分的な立ちリーディングが、パーティの中行われるだろう。 飯をたべたべしつつ、一冊のホンに動かされて、稽古し、立って動き、シーン一連をとりあえずつなげて演じる……という一連を、パーティに来た方と一緒に楽しみたい。
これは、公演ではない。ホンに動かされた何かを、当日来た人と共有する日だ。
僕はそれの、稽古の先導とリーディングパートの演出をする。
笑いのために書かれたホンを、笑いに匹敵する僕の信じている物をぶつけて、この世に立体化してみたい。そんな野心を携えながら、パーティに参加する。これが僕なりの、パーティの参加への心構えだ。そんなかんじで、当日皆さんは、ぼんやりとお越しいただければ幸いです。
山本健介
Member
齋藤 恵汰
さいとう・けいた
1987年生まれ。美術家。文化事業家。渋家株式会社監査役。2008年に美術作品として家を借りる「渋家 (シブハウス) 」を制作し、展覧会やイベントなどのキュレーション作品を発表。2013年、「ニッポンのジレンマ「新TOKYO論」」(NHK Eテレ) に渋家作者として出演し話題となった。渋家名義の主な実績に「森美術館「六本木クロッシング展」」全国のディスカーシブ・プラットホーム選出(2013)、「第17回 文化庁メディア芸術祭」審査委員会推薦作品選出(2013)などがある。美術分野のほか、演劇、批評の分野でも「非劇」(吉祥寺シアター/2015)劇作、戯曲集『戯曲|東京の条件』(岸井大輔/東京文化発信プロジェクト)編集、批評冊子『アーギュメンツ』編集・発行などの多彩な活動を行う。現在は、2016年に設立した渋家株式会社の役員に就任し、作品制作、展覧会などの企画運営など、様々な分野を横断的に扱う文化事業家として活動。
西田 篤史
にしだ・あつし
1986年生まれ。富山県出身。編集人。プロジェクトマネージャー。出版社勤務を経て、"拡張する編集" をテーマに、文化事業のプロジェクトマネジメントに従事。領域を問わず、企画やコーディネート、マネジメント、広報などを担当。文化と資本を結びつけ、横断的な表現活動を支援する。近年の主な活動に、渋家株式会社|SHIBUHOUSE.inc Manager (2018-) 、EUKARYOTE Publisist (2018-) 、precog 制作デスク補 (2018-) 、command N「TRANS ARTS TOKYO」事務局コーディネーター(2017,2016) 、TAV GALLERY Manager (2014-) などがある。平成28年度文化庁 大学を活用した文化芸術推進事業「geidaiRAM:Research-based Arts Management」修了。平成29年度文化庁 戦略的芸術文化創造推進事業「プロジェクトスクール@3331」修了。
日和下駄
ひよりげた
1995年鳥取県出身。横浜国立大学在学中。俳優。メンヘラ当事者研究会会長。
2011年、高校入学を機に演劇を始める。上京してからは、主に俳優として活動。次第に場づくりにも興味を持ち、2017年に「生きづらさを話す場」としてメンヘラ当事者研究会を発足、会長として活動する。
最近の出演作は、mimimal「a sample of an ill」、sons wo:「流刑地エウロパ」、岸井戯曲を上演する「END OF DEMOCRACY」、アムリタの「正午の伝説」坂西嵩史
ばんざい・たかふみ
1995年生まれ、愛知県出身。東京大学教養学部在学中。2016年以降、俳優。
2017年より創作集団グアテマラ=コミュニティに「動的素材」として所属。同年11月に製作された、自身とアパートの一室を素材としたインスタレーション作品『ありふれた印度の舌』をきっかけに、俳優兼動的素材としての活動を本格化させる。
2018年11月には主宰劇団であるボカーンの最終公演を控えている。山本健介
やまもと・けんすけ
1983年生まれ埼玉県出身。早稲田大学第二文学部卒業。
2007年に12月にジエン社を旗揚げ。以降ジエン社の全作品の脚本と演出を務める。
劇団外の活動として、映像のシナリオも手掛け、舞台、映画、TVドラマに脚本を提供する他、ゲームシナリオ、イベントテキストや構成、キャラクター設定、Vシネの脚本などを手掛ける。
2016年、「30光年先のガールズエンド」が岸田國士戯曲賞最終選考にノミネート。村岡 正喜
むらおか・まさき
1984年生まれ。
早稲田大学第二文学部(現在消滅)卒。
在学中の2006年、Not in serviceを設立。
役者や制作協力として乞局やスロウライダーなどに参加。
2012年に、社会人劇団、定時残業z旗揚げ。2劇団の主宰・脚本・演出を担当する。
大学卒業後djやイベントオーガナイズもてがけ、
雑誌snoozerの田中宗一郎、maltine recordsのtomadをメインdjに据えたイベント「king of pop」を年一回のペースでオーガナイズしている。藏下 右京
くらした・うきょう
1993年生まれ、大阪府出身。城崎国際アートセンターでの滞在制作を経て、本格的な俳優活動を開始。2015年に藏下右京×渕上夏帆 二人芝居を立ち上げ、企画や演出も行なっている。下北ウェーブ2017選出。
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